写真のない旅本?【初小説・続報】

『修学旅行は世界一周!』

■2020年8月7日発売/定価726円
■ハルキ文庫(角川春樹事務所)


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初めて書いた小説、その続報です。

今回の本、著書としては41冊目になるのですが、これまでの40冊と決定的に違う点がひとつあります。

それは何かというと、写真が1枚もないこと。

まあ、小説なので写真がないのは当たり前の話ではあるのですが、書き手としてはこれは結構大きな違いでした。

旅の本というのは、どうしても写真の比重が大きくなりがちです。写真以外にも、イラストなども同様だと思います。やはり、訪れた地の風景や人々、食べ物などを表現するうえでは、ビジュアルがあると伝えやすいんですよね。

ただ、これは裏を返せば、写真(やイラストなど)に頼りすぎているという意味でもあります。正直、執筆者としては悔しい気持ちはありました。活字の表現力が、ビジュアルのそれに負けてしまっているわけですから。

実は以前にも一度、そういった現状に抗おうとしたことがあります。『自分を探さない旅』という本で、本文中に写真を一枚も入れなかったのです。旅行記なのにあえてテキストのみで伝えようという、自分としては挑戦的な試みでしたが、そのときは結局、巻末に口絵という形で別途写真のページを設けることになりました。力不足だったというか、日和ってしまったんですよね。

だから今回、小説という形ながら、写真がまったくない本を出せたのは自分にとって画期的な出来事でした。遂に悲願が叶ったのだなぁと……大げさですが。

今回の小説で、唯一のビジュアル的な要素となるのが、表紙のカバーイラストです。アニメチックな雰囲気にしたのは、主人公が高校生だからですね。この際ハッキリさせておくと、ライトノベルを意識しています。爽やかな感じに仕上がり、個人的にも大変気に入っているのですが、実はこの絵自体に物語のヒントが散りばめられています。

注目していただきたいのはタイトルの書体です。『修学旅行は世界一周!』という文言。これをよく見ると……そう、ドット文字になっているんですね。

前回の投稿で、作品の内容についてはほとんど触れませんでした。ネタバレを避けたいという意図からでしたが、それにしてもあまりにも不親切な紹介だったなぁと反省しまして、ここで改めてもう少しだけ補足したいと思います。

いまさら言わずとも皆さんご存じかもしれませんが、自分はゲームやアニメといったいわゆるポップ・カルチャーが大好きです。旅にハマる以前からそうだったし、旅を生業としたいまでも変わらず愛しています。最初に世界一周したとき、現地で知り合った日本人旅行者から「オタク・パッカー」などと呼ばれていたくらいです(笑)。

今回の物語を組み立てるにあたっては、そんな自分の趣味の要素を盛り込みました。タイトルがドット文字になっているのは、要するにそういうことです。

初めての小説なので、まずは自分の得意ジャンルから攻めてみたという話は前回も書きました。詳しい内容には触れられないものの、基本的には旅の話ながら、ゲームやアニメが好きという人にもぜひ読んでほしい一冊です、とだけここでは書いておきます。(2020年7月22日投稿)

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